音のある場所

今日もお疲れちゃん

語り継いでいく音

 

 

この時代に生まれてこれて良かった。

 

 

 

 

今回はライブ模様の話ではない。

ある一つの、音楽のお話。

 

 

 

 


LOCAL SONG feat.$iva $aigo & Kazuya Shibata(STANDZ) / Area81

 

 

 

2019年1月24日。

一つの音楽が、ネットの世界に落ちてきた。

少し前からその音楽を知ってはいたけど、映像付きとなるとまた一味違った。

一つのモノの完成というのを見届けた気がする。

その曲がいつできたのかも、どのような思いがあって作られたのかもわからない。

1人のリスナーとしてそれは当たり前のことだし、深く知ろうと思わなくてもいい。

その音が耳からスッと入ってきて、気付いたらその音は心にぶっ刺さってる。

 

俺がその曲に出会ったのはいつだったかな。

と、思い出そうとするほど時は経っていない。

ほんの数か月前のことだ。

仲良くなったバンドのボーカル(のちに俺はこのバンドのスタッフになる)、イニシャルがKの人からある動画が送られてきた。

それはライブハウスで、みんなで歌ってる映像でなんだか心温まる感じがした。

登場人物はもれなく、街にいたら少し避けて歩きたい感じの見た目…。

 

その曲をレコーディングするはずだったのに、ドラマーが空に帰ってしまった。

Kから伝えられて、驚きしかなかった。

俺自身その人と関わりはない。

ライブハウスで見かけることはあったけれど、それぐらいしかない記憶。

だけれども、この曲との出会いはすごく衝撃的なものだった。

生きていれば避けては通れない出来事。

わかってはいるけれど、心が揺れた。

 

その曲を彼らはCDという音源にしてライブで配布した。

その日のライブで、ステージで彼らがその音楽をやっている姿がとても眩しかった。

今ステージにしっかり立って音楽をやってる彼らは、俺が思っている以上にたくさんの思いが詰まっているのだろう。

音楽を聴いている側には、絶対にわからないものがある。

それが、あるとわかるからこそ、心に響くものがある。

耳に残るその曲を口ずさみながらその日は帰った。

 

 

 

音楽は、音を楽しむと書いて音楽。

すごく当たり前のことなんだけれど、それに尽きるとこはあると思う。

それでも、楽しいだけの音楽が全てではない。

学生の頃、音楽の授業で数百年も前に作曲された音を聴かされた。

それは決して楽しいだけではない。

切なくて悲しい音楽がいくつもあった。

どんな形でも、誰かに心に入っていった音楽はいつの時代も語り継がれる。

 

謡曲と呼ばれる音楽が増えた。

みんなで歌えるような、誰もが一度は耳にしたことあるような。

もちろん、そういう音楽は何年経っても消えることはない。

昭和の名曲たちが未だにスナックで歌われていたりすることと一緒だ。

ロックバンドと呼ばれるものが作る音楽もまた語り継がれている。

反社会的、自由、思想、作った本人の心が100%こもった音楽も誰かしらの耳に届いて心に刺さればそれもまた次の世代へ繋がれていく。

しかし、昨今の音楽はただ音を楽しむだけが増えてしまった気がする。

悪いことじゃない。

今を楽しむことは悪いことじゃないんだけど、その時その時で消えてしまう音楽が増えてしまった気がする。

一度使ったら捨ててしまう、ティッシュみたいなものかもしれない。

でも名曲たちは?

愛着が湧いたハンカチなのかもしれない。

これだ!と思った音楽をその時は何回も、何回も聴く。

けれど時期が過ぎれば少し離れて、でもまた聴きたくなる。

そうやって、自分にとって大事な時や何か思う心があるときにその音楽を聴きたくなる。

ハンカチも使い続ければボロボロになる。

でも愛着が湧けば捨てたくなくなる。

そうして使わなくなって、ここぞというときに使う。

これ、子どもの頃使ってたよぁなんて言いながらそっと押し入れに閉まったりする。

それでたまに引っ張り出しては使わないで眺めてたりする。

ハンカチを眺める人はそうそういないと思うけど。

けれど、どちらも思い出なんだよね。

 

今、思い出と呼べる音楽を聴けているだろうか?

この先10年経ってもまた聴きたくなる音楽に出会えているのだろうか?

もちろん、音楽に出会うタイミングというのもあるかもしれない。

子どものころ、一度聴いてはいたけどそこまでハマらなくて、今聴いたらすげーいいじゃん!って思う音楽もある。

個人的には、ORANGE RANGE、あとスチャダラパー今夜はブギーバック

年を重ねて、これいいなって思うこともたくさんある。

それはきっと、中身が詰まっているから。

その音楽を作った人たちの思いが死ぬほど詰まっているからだと思う。

思いという網に子どもの頃は小さかったから引っかからなかったけど、でかくなった今だからこそ…。

俺自身はミュージシャンではないから、この音がいい!とか技術的なことは正直よく分からない。

音楽の聴き方は人それぞれだから、思い出だけが全てでもない。

ただ大半の人が好きな音楽を聴いたときに、何かを思い出したり嬉しくなったりするのは、きっとその人の心にぶっ刺さっているんだよね。

 

今回、俺の心にぶっ刺さったのはなんでだろう。

その理由がわからないときもある。

その音楽の背景を少しだけでも知ったから?

尊敬している人が歌っているから?

ノリがいいから?

きっとそんな簡単なことじゃないんだよなぁ。

気付いたら口ずさんでる。

理由なんて、それだけで十分かも知れない。

 

 

 

 

平成が終わる。

普通なら元号が変わる時は1人の人が空に帰ってしまったときだけど、今回は違う。

それもまた、新しいことだ。

いろんなことがどんどん進んでいって、気付いたら自分が生まれた時代が終わろうとしている。

平成が終わるぞ~!ってみんな言い始めて、だから何だよ。って思う人も大勢いる。

昭和に生まれた人たちは、ある意味経験済みの出来事だ。

そういう人たちに話を聞くと、特にこれといってそのときに何かが劇的に変わったわけじゃない、と言う。

けど、その人たちが平成を振り返ってみると実はいろんなことが劇的に変わっていたりする。

そんな劇的な変化のなか、同じ時代に生まれて生き抜いてきた人たちの音楽がここにある。

たった30年とちょっとかもしれない。

けど、その30年とちょっとを生きれた人と、空に行ってしまった人たちがいる。

俺たちの時代が終わろうとしている今だからこそ、この音楽がぶっ刺さる。

この時代の証明。彼らの証明。

そして、それをここで終わらせないできちんと受け継いでいくこと。

語り継がれていく音楽に、俺は今、出会えたんだと思う。

語り継いでいく人に、俺たちはこれからなるんだと思う。

だからこの時代に生まれてこれて良かった。

 

ただの音楽好きで、心にぶっ刺さる音楽が好きな俺からの視点。

自己満足だし、それを人に勧めたりするのはエゴかもしれない。

それでも、良いものは良いと声を挙げる。

 

 

 

 

 

 

linkco.re

 

 

現代らしく、ネット配信されました!

ポチっと押すだけで音楽が聴けちゃいます。

CDをセットするという手間が好きだった人には物足りないかも知れないけど、それでもより身近に音楽が生活に取り込まれたんじゃないかな。

 


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このジャケットすごい気に入ってる(笑)

こんなのどうですか、って送られてきたときはもう、いいね!って感じだった。

なんてことない電線が写った夕焼けの空なんだけど、俺はこの空を知っている。

そしてこの空の向こうにあの人たちがいる。

この景色も見たことある。

こんな綺麗な景色を、俺はこの目で見れているのかぁ…。

もしかしたらすごく幸せなことなのかもしれない。

 

MVはもう見ましたか?

はたから見れば、街をうろついてる近寄りがたい集団。

でも、どこか優しさが漂っている気がする。

場所が移り変わって最後は若者が集まる街、渋谷へ。

歌ってる3人が出会うのか!?と、少し物語を見ているような気持ちにさせる。

そして、歌詞に出てくる「たとえ別々の道になっても進もう、この先でおち合えるように」

たくさんの人と出会って別れてを繰り返すのは人生の醍醐味だろう。

 

 

死ぬまで、心にぶっ刺さる音楽を聴き続けよう。

 

 

 

 

 

 

Thanks.

DAIKI

 

 

 

 

 

 

 

 P.S

俺がスタッフをしているバンドの音源もめちゃくちゃ心にぶっ刺さる。

出会えたことに感謝です。


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