夢にときめけ!明日にきらめけ!
仕事に向かう途中の道で、野球ボールが転がってきた。
コロコロと足元までたどり着いたボールを拾って、転がってきた方向を見る。
都会の小さな小学校の校庭から子どもと父親であろう人物がこっちに向かってきた。
手に持ったボールをその親子に投げた瞬間、耳にしていたイヤホンから綺麗なイントロとともに歌が流れた。
窓から~ 流れる景色 変わらない この街 旅立つ
GReeeeNの『遥か』だった。
嘘だろ!?って思いながらちょっとにやけてそのまま仕事に向かった。
自粛が続く中、行きたいところにも行けず家で過ごす時間が増えた。
動画配信サービスの映画ランキングを何度も覗いて、見たくなるようなものを探すけれどどれも気が進まない。
そんななか、ドラマのカテゴリーにルーキーズがあった。
2000年代を代表するドラマの一つ。
みんながあの頃に熱狂しただろうドラマだけど、自分は見たことが無かった。
テレビっ子ではいたけど、ドラマよりアニメや昔の映画とかそっちばかり見ていた。
思えば学校に行っても昨日のアレ見た?とかの話題は全然通じなかったなぁ笑
まあ、時間もあるしとりあえず見てみるか…と思いながら第一話を鑑賞。
ものの見事にハマった。
キャストが今考えるとすげーメンツばかり。
こんだけのイケメンたちがいたらそりゃ画面映えするよなとか思いながら時間を忘れて次の話へと進んでいく。
話の展開には鳥肌が立つくらいこっぱずかしくなるようなセリフや演出の数々。
それでも部活動を頑張ってた頃の自分と重ねたり、当時友達だった野球少年の気持ちをいまさら汲み取ってみたり、いろんなことを考えさせられた。
最終話に近づくにつれて目頭が熱くなって視界がぼやけることが多くなった。
そしてドラマの終わりには毎回主題歌の『キセキ』が流れる。
この曲が流行ったとき、ちょうど中学に入学した。
J-POP真っただ中。
アクアタイムズ、西野カナ、オレンジレンジ、ジャニーズ、YUI、etc…
あの頃聴いてた音楽って、歌詞を覚えようとしてたわけじゃないのになんか覚えている。
それくらい日常に溶け込んでいたことがわかる。
もう何年もGreeeeNを聴いていなかったけど、ここにきて再燃。
好きな子とカラオケ行ったときに歌った『愛唄』や、高校の文化祭で友達がバンドでライブした『オレンジ』
そしてなによりも、DSのゲームでGreeeeNの音ゲーがあった。
それにめちゃくちゃハマって、当時の大体の曲は知ってた気がする。
まあそんなこんなで、今はサブスクのおかげで昔聴いてた音楽に再びハマったときの懐かしさと、いまだにこの音楽を聴ける喜びにどっぷり浸れる。
ドラマ版のルーキーズを見終わって、映画のルーキーズ卒業もしっかり見た。
そこで使われた主題歌は『遥か』だった。
曲自体はもちろん知っていたけど、映画の主題歌だとは知らなかった。
今になってちゃんと中身を知れたというか。
音楽は音楽そのもの単体で存在していいと思う、けれど、タイアップや音楽とは違う別の何かに使われるというのもありだ。
音楽としての造りがわからないただ聴くだけの人にとっては、付加価値がつくことによってその人だけの音楽になりうる。
今日の出来事で、自分にとってGreeeeNの音楽が思い出と感情そのものであることを確信した。
ボールを投げた親子はきっと再びキャッチボールを始めただろう。
物心ついたときから父親がいなかった自分には、父親とキャッチボールというのは実は密かな夢だったのかもしれない。
子どもの頃から野球が好きじゃなかったのは、キャッチボールの楽しさを知らなかったからなのかもしれない。
学校のみんなの話に入りたかったけど、野球が好きじゃなかったからルーキーズを見なかったのかもしれない。
あの頃の気持ちなんてほとんど忘れてしまっているけれど、一つだけ確かなのは自分も大人になってしまったんだなということ。
親子に向かってボールを投げた時、自分はもう父親側の存在にこれからなるかもしれないということ。
子どもの頃の夢を叶えることはもうできないけれど、大人になって子どもたちの夢を叶えてやることができる存在になれるかもしれないということ。
ルーキーズを見て、感化されすぎたかな笑
こんな暗い世の中になってしまった。
しかし、あの親子にとってはあのキャッチボールをしている時間は世界と関係ない。
あの二人だけの空間があるんだよね。
それはすごく良いこと。
それなのに、外出を控えるように言われているこの世の中では、はたから見たら腫物扱いされてしまう。
すごくめんどうな世界になってしまった。
ただ親子でキャッチボールをしているだけなのに。
自分の過去と、親子の楽しでいる姿と、今の風潮、を一瞬で全て受け止め考えての結果がにやけだった。
そしてもう一つ。
今年に入って嬉しかった出来事を思い出した。
GreeeeNのプロデューサーであるJINさんに出会えたこと。
Pay money To my PainでJINさんを知って、その人がGreeeeNのプロデューサーだったことを知ったのはほんの数年前だ。
自分が好きだった音楽が巡り巡って、自分を救ってくれた音楽を作った人と繋がる。
それだけでもすげえ!って思ってたのに。
今年行ったライブハウスで出会ったんだ。
それは今スタッフをしてるバンドSTANDZのおかげだ。
いろんなことが巡って、子どもの頃に死ぬほど聴いてた音楽を作った人に出会うって。
ルーキーズの御子柴のセリフを借りるなら、「今までのことはすべて奇跡だったんじゃないかって。」
子どもの頃の自分が今の自分を見たら、呆れられるくらいひどい生活をここ数年してきた。
後ろめたさや劣等感を常に抱いて生きてきたけど、少しは顔を向けられるようになったかなあ。
こんなところで満足していてはダメだ。
まだまだ高みを目指したい。
今は悪いウイルスのせいで何もできない日々だけど、これが終わったらまた進んでいこう。
また再び夢にときめく日々と、明日にきらめけるような時間を過ごしていこう。
とりあえず今は昔に見損ねたドラマをひたすら見ようと思う笑
Thanks.
DAIKI